薮内正幸美術館に行ってきた


薮内正幸美術館とは

山梨県にある小さな美術館で、動物画家の故・薮内正幸氏が描いた作品を展示している国内唯一の動物画専門美術館である。 常設の展示はなく、半年に一度で展示内容が変わる方式になっている。 動物絵画というニッチなジャンルにありながら半年に一度展示を入れ替えられるというのはいかに膨大な量の原画が描かれてきたかを物語っている。 また2004年から20年近くこのような美術館を続けてきたという館長には畏敬の念を感じる。 これからも全国の動物愛好家の癒しスポットであり続けてほしい。

展示

今回の展示は「ネコ科の動物たち」。 いや、動物の実物を見るのは好きだが絵はちょっと...という人もぜひ見てほしい。 プロが描いた絵を見ると、その人がどの部分を着目していたか、何が特徴だと思っているのかという気づきがあり、実際の動物の観察をする上でも大変参考になるものだ。 (もちろん、絵を描く人の役にも立つだろう。) 猫科の動物でやはりまず特徴的なのは「まなざし」だろう。肉食の獣と聞いて思い浮かぶような鋭い眼光から、ユキヒョウの飄々としたどこか穏やかな目まで、リアルに描き出されており、感動した。 また、体つきも実物を見たことある人ほど絵の持つ説得力が分かる。ヒョウは筋肉質な感じが伝わってきた。ウンピョウやオセロットなども毛並みや体格が伝わってくる。大きさを除けば誇張なく「本物のようだ」と言えるほどの絵たち。でもサーバルなど一部のネコはもう少し実物は優美というか、すらっとした体型だろうか。個体差か、紙幅の都合か、あるいは重視されないポイントなのか。自分のイメージと違う時にはその要因を想像するのも面白い。 そして毛並みを始めとする描き込みにも注目。 白黒の絵がほとんどなのだが描き込みの緻密さは遠くで見ても、すぐそばで見ても、絵に破綻が感じられない。

動物は往々にして人間より寿命が短く、絵の参考にされたかもしれない個体と会うことは難しい。そこが絵を見て唯一残念に感じるところだ。 獣からしか摂取できない心の栄養があると思うが[要出典] 、この方の絵からも同じ成分を摂取する事ができる。自信を持っておすすめします。

小さい美術館でテーマ展しかないという特性上、ニッチなテーマでもそのうちに開催されるかもしれないという希望があり楽しみ。「マズル展」とかやってくれないかな〜.....

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