2025年9月22日に雄山神社峰本社に参拝したのでその記録です。
雄山神社を目指すにあたりまず検討しなくてはならないのが、ルートと日程だ。 立山はマイカー乗り入れが規制されており、アルペンルート経由でしか入山できない。 幸い、前回室堂までは行ったことがあるので宿泊無しなら富山側から登ったほうがよいという感触をすでに持っていた。 また前回は靴に泣かされたので今回は履き慣れた登山靴でのぞむ。
コースについては事前に「山と渓谷 オンラインマップ」 で確認したところ室堂→(80min)→一の越→(60min)→雄山神社 が目安か。 10時頃に室堂着ならば天候が安定していれば問題なく往復して下山もできると考えた。
別の私用があり富山県に来ていた。翌日の天候次第では雄山神社登拝を考えていたので最低限の持ち物はある。 昨日今日の天気は大雨だったが、明日の予報は晴れ。 アルペンルート接続時刻表を見るに電鉄富山駅を7時06分発なら室堂10時は十分可能のようだ。 これなら朝食を取ってから出発してもよいだろうと考えながら就寝。
朝4時に目が醒めてしまった。二度寝しようと思ったが妙な予感がし、払暁のうちに出立することに。 荷物をまとめて始発電車に飛び乗った。 車内で改めて時刻表を見てみる。6時08分に立山駅に着いても、ケーブルカー運航開始は7時。 その先の美女平でも30分以上の待ち時間が発生する計算だった。 前回も地鉄の車窓はあまり眺める余裕が無かったのに今回も眠気からあまり風景に集中できない。 我ながら妙なことをしたものよ、とこの時は思った。
果たして、立山駅に着いてみるとすでに発券窓口に長蛇の列ができているではないか。 続けて事前予約と待機列と合わせてケーブルカー始発から4往復先までは埋まっているとのアナウンスも入る。 一瞬呆然としかけたが、始発電車に乗ってきた僥倖を感じない訳にはいかなかった。 待つこと1時間後、8時発の乗車券を入手できた。なんとか室堂に9時に着くことができそうだ。 もし、当初の計画通り7時に電鉄富山駅を出ていたら……と考えると恐ろしい。
余談だが、気温が低く待ち時間に冷え切ってしまった。
その後は順調。天気も快晴で多少ガスは出るかもしれないが登山日和とはこのような日だろう。 唯一心配なのは気温くらいのものだろう。バスは季節外れの暖房が入っており(それでも適温だ) 不安を若干煽る。室堂に9時10分着。
出てすぐの玉殿井戸は十分水を持っていたのでパス。 歩き出してすぐ懐かしい感触が蘇ってきた。岩がはめ込まれた歩道は石畳なのに妙に歩きにくいのだ。 (どの岩にも削岩機のロッド跡があるのでトンネル工事の残骸なのではないか…と疑っている。)
前回と違い、初秋を感じさせる風景でチングルマの綿毛が風に揺れていた。
立山室堂山荘を越えたあたりから徐々に道は上り坂となる。 所々に夏を越して残っている雪渓があり 祓堂を越えたすぐ先に洗い越しになっている箇所がある。(称名川の支流だろうか。) 雄山神社に手水があるかはわからないのでここで手を洗い清めた。 歩いている間にかなり暑くなってきたので、クールダウンの意味もある。 祓堂までくると鞍部の一の越まではもうすぐだ。
一の越で小休憩。水分を補給した。コースタイムは40分。なかなかにハイペースだ。 今日はヘリ輸送の日なのだろう。各山小屋にヘリが荷物を投下しているのが見える。 雄山にも何度か飛来しているようだ。
一の越から雄山はガレ場が続く。 登りと下りが分かれるほどで、人は多く連なっているものの本当は落石などを避けるために 間隔は取った方がいいのではないかと思った。 下を見ると自分のたどった道と高度感がわかる。
雄山の社務所前で大休憩。神社の神域で飲食というのもなかなかないが、 そもそも社務所でコーヒーも飲めるしカップ麺も売っているのだ。 持ち込んだカロリーメイトは気圧差で膨れていた。 私も頭痛の初期症状が現れはじめていた。
唐突だが一ノ宮巡礼において御朱印は重視しない方針をひそかに持っていた。 (なぜなら、スタンプラリーではないのだから…) が、雄山では安全な登山のための山小屋だと思えばそのまま通過するのも申し訳なく、 御朱印をいただいた。また授与品として箸があった。こちらは普段使いできそう。
雄山山頂社殿では時間が合い正式参拝となった。 ヘリでの荷下ろしがあったので正式参拝は今日一回目だという。ここでもかなりの幸運だ。 神職が祝詞を奏上し、参拝。 社からは三霊山がすべて見える。登ってきた人全員で万歳を三唱し、すがすがしい達成感がある。 素晴らしい登山となった。
登山後に温泉に入れたら最高なのに… 立山では温泉があるので登山後温泉に入れる。 みくりが池温泉はその名の通りみくりが池の隣にある温泉だ。 みくりが池付近は外国人観光客を含め多くの人でにぎわっていた。 前回は歩道に雷鳥を何度も見かけたが、この人の多さでは無理であろう。
みくりが池温泉もまた、多くの人でにぎわっていた。 浴槽も人がいっぱいだったらどうしよう、と思ったが多くの人は昼食・軽食の利用だったようだ。 幸い風呂には数名しかおらず堪能できた。 雷鳥荘もそうだが、白濁した硫黄泉で、窓からは地獄谷の景色が広がっており、開放感がある。 飲泉してみる。記憶の中の雷鳥荘の湯と近いが、こちらのほうが酸味が強いか。 雷鳥荘もみくりが池温泉も素晴らしい温泉であった。
完全余談だが素晴らしい硫黄泉で私は湯あたりしやすいらしい。 風呂を出てから頭痛がピークとなり帰りの地鉄電車の車窓の記憶が全くない。 那須鹿の湯や酸ヶ湯でも入湯後に頭痛に見舞われている。 毎度わかってはいるのだが長湯しているせいなのだろう。